うごメモのはじまりで、はてなは終わる。

アンチはてなだと思われるのは心外なのではっきりさせておくけれど、私ははてなが好きだ。
はてな入りたい!とさえ思っている。はてなの力になりたいと思っているし、私が入社するまでははてなには終わってほしくないと思う。そういう前提で、うごメモについて思うところをまとめておく。

終わりに向かうはてな

うごメモの開始によって、はてなは、終わりに向かって走り始めたのではないだろうか?

はてなは全力で終わりに向かって疾走しているように見える。
ここでは、うごメモはてなが被るダメージと、それによってはてなが終わる可能性と、はてなが生き残る道について考えてみることにする。

児童ポルノメディアとしてのうごメモ 〜滅びかけた児童ポルノうごメモで息を吹き返した〜

うごメモが、ネットの世界だけでなく、日本に示した、世界に示そうとしている一番大きな問題は、児童ポルノの新たな可能性だ。CGM、Customer Generated Media*1として、うごメモは、子ども自身が、児童ポルノを提供することを可能にした、史上稀に見るインフラではないだろうか。これは、ビジネスとして滅びかけた児童ポルノに、新たな命を吹き込むことになるのではないだろうか。


これまでにも、はてなが終わりに向かっているのではないかと思ったことは、何回かあった。
たとえば、住所登録問題、はてブネガコメはまちちゃんが見つけた人のはてなダイアリー日記を編集できる問題*2、あたりがパッと思いつくところだろうか。

今回のうごメモは、過去にはてなが起こしてきた問題の比ではない。これまではてながやってきた問題など枝葉末節に過ぎず、うごメモによって過去の出来事など忘れられてしまうことだろう。

うごメモはてな任天堂が生み出した奇跡の出会い系〜

うごメモが、出会い系として機能する|しているであろうことは間違いないと思う*3

実際にうごメモを日がな一日見ていると、小学生、中学生女子とおぼしき子どもが、異性を誘うような投稿を見ることができる*4。この一点だけを見ても、携帯やPCの出会い系とは一線を画す、奇跡的な出会い系ではないだろうか。間に仲介者が入らずに、サクラもいない環境で直接子どもとコンタクトができるのだ。これはその性向を持つ人にとっては垂涎の環境、卒倒物のユートピアであろう。


まず、携帯における出会い系は、昨今かなり厳しく取り締まれてきていて、フィルタリング規制もEMAなどが機能し始めているので厳しくなってきている。PCにおける出会い系は、携帯よりも敷居が高いし、小学生、中学生だと自分専用のPCを持っている割合は携帯よりもずっと低いだろうから、出会い系にPCからアクセスする小学生は携帯よりもかなり少ないだろう*5


その点、DSiでのうごメモは、下記のような出会い系としての特徴を持つ。

  1. フィルタリングがない(機能していない)
  2. 子どもだけが、DSを使ってアクセスできる
  3. 子どもは、危ない大人の存在を意識していない(ように見えることがある)。ゆうたくんうごメモはてなだってあんなに炎上すると思わなかったろう。
  4. 動画、音声という性質上、機械的なフィルタリングが困難で、削除されるまでに時間がかかる*6
  5. 子どもの数が非常に多い*7(PC、携帯の出会い系のようにサクラが皆無)

ここで注目すべきは、携帯、PCの出会い系と異なり、サクラがほぼ皆無だという点だろう。


うごメモの投稿を何日か追っていれば、かなりの高確率で、容易に小学生女子とコンタクトが可能だ。今は直接コンタクトを取るためにはメアドが作品中に記載されているなど敷居があるが、実際に連絡先が投稿されていることだってあるだろう*8
しかも、無料である。これは、昨今の各種の規制をくぐり抜けた、出会い系としては奇跡と言っていい出来映えだろう。


この小児性愛者と小学生の奇跡的な、理想の出会いの場を提供しておいて、犯罪*9が起きない方が不思議である。すでに起きているのかもしれないが、今この瞬間に起きてもおかしくない状況だと言えるので、すでに起きたのかどうかは大きな問題ではないかもしれない。まず、間違いなく犯罪が起きるだろう。

はてなの鮮烈な国内デビューの日 〜ライブドアを超えるデビュー劇〜

ある日、子どもが殺されて、その出会いの場を提供したのがはてなうごメモだった、というのが考え得るもっとも可能性の高いストーリーだろうか。

ライブドアの場合は、それなりに認知度が高くなっていた状態でネット企業として注目されたけれど、はてなの場合は認知度ゼロに近い状態*10で、良質な出会い系の場所を提供した悪役として、華々しいデビューを飾ることになる。


NHKのデジタルネイディブとかで取り上げられていたこともあるし*11ライブドアに比べて「悪さ」がうごメモの場合は非常にわかりやすく、社名の珍しさも手伝って知名度は一気に上がるだろう。


心配なのは、はてなに広告を出稿している会社に対する電突で、毎日新聞の変態記事のときに張られたようなキャンペーンをやられると、はてなの広告収入がゼロになりかねないことだ。今回のうごメモでは、敵に回す人たちが電突をやりそう、かつ非常にパワフルな動きをしそうなので、生命線である広告への影響がありそうだ。


おそらくはてなの収入はほぼ広告収入だろう*12から、広告を引き上げられるのは致命傷になりかねない。ただし、内部にキャッシュ、留保がありそう*13なので、万が一収入がゼロになっても、それなりに持ちこたえる自信は透けてみる*14





はてなの誤算 〜性善説の愚直な実践で悪人が集まるというジレンマ〜

id:jkondoさんや、id:umedamochioさんも著書の中で言っていたと思う*15けれど、はてなはネットの世界はそんなに悪い人たちばかりではないよ、という思想のもとにサービスを提供してきた。

ただし、意図したことがそのまま結果に出るわけではなくて、世の中ってそんなに悪い人たちばかりじゃないよね、という思想で作られたサービスに集まったのは、悪人ばかりだったのではないだろうか。はてブネガコメ問題だってそうだし、善意の気軽な表現としてはじまったはてなスターだって、実際はネガコメについたはてなスターのように、悪意ある使われ方をしていた。


はてブも、はてなスターも、結局のところ世の中いい人たちの方が多いはずだ、という性善説にたったばかりに、モデレーション機能がサービスに組み込まれなかったことで悪人が集まってしまったのでないだろうか。


性善説の挫折が目立って見えるのは、はてなの創業のきっかけとなった*16人力検索で、困っている人がいる、みんなが真面目に回答をしてくれる、きっと助けてくれるという前提だったのだろうけど、実際のところ的外れな回答を繰り返したり、回答になっていない回答をしたりするユーザが目立ち、ポイント稼ぎの場に成り下がった。


ポイントがあるが故に回答の質が下がり、無料の発言小町や、おしえてGoo、OK wave、知恵袋のようなサイトの方が良質な回答が得られるようになっている*17のは、性善説を信じてきたid:jkondoさんにとっては深い挫折だろう。


また、id:umedamochioさんだって、性善説を信じていると公言しながら*18twitterはてブネガコメについてネガコメし大炎上する、という炎上劇を演じていたのは記憶に新しい(Mochio Umeda on Twitter: "はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。本を紹介しているだけのエントリーに対して、どうして対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分の意見を書く気が起きるのだろう。そこがまったく理解不明だ。")。



そして、モデレーション機能が有効に働いていないという点では、うごメモもこれまでのはてなによるサービスと同じだ。
今回、性善説を前提としていることによってうごメモがもたらす悪質な影響としては、

  1. 子どもが見るべきではないものが見えてしまうことと、
  2. 出会い系として犯罪を助長する可能性が高いこと

だろうか*19

うごメモはてなが敵に回す人たち〜PTA、モンスターペアレント、政治家〜

自覚があってやっているとは思わないが、児童ポルノを助長してしまうことで、ありとあらゆる子どもの味方を敵に回すことになる。
これは国内だけではなくて、世界の子どもの権利を守りたいと思う団体、個人を敵に回すことになる極めてリスクの高い行動だ。


しかもさらに悪いことに、その敵に回す人たちは声が大きい。特に、子どもを持つ親のはてなに対して抱くであろう憎悪は想像にあまりある。
自分の愛する人を、甘い言葉で誘い込んで危険にさらす、はてなのその行動は激しい反発を招くだろう。
親だけでなく、PTA関係の声の大きい団体や、政治家なども関与してくるのではないだろうか。彼らには、「愛する人を危険から守る」という強烈なモチベーションがある。その場合の矛先が、はてなには向かずに、任天堂に向かう可能性も高いと思う。

うごメモで、ようやく、はてなは世界に羽ばたく

id:jkondoが目指した、はてなの世界デビューは、うごメモで成る。それが望んだ形かどうかはわからないけれど。

しかも、日本語以外の言語圏でのうごメモは、フィルタリングはまずうまく機能しないだろう。


日本では、はてなの味方、今回で言えばうごメモのフィルタリングに協力するユーザ、というのはそれなりの数が確保できるだろう。
ただし、それは国内だけの話で、世界でうごメモがサービスインしたときには、その内容のフィルタリングはまず無理だ。
はてなは世界的な展開がそもそもできていないし、ボランティアベースのユーザの貢献も日本以外では期待できない。


うごメモが白黒であることも、機械的なフィルタリングをしようとした際に難度をあげるのではないだろうか。フルカラーないしは256色もあれば、肌に近い色を認識して動画に関しては機械的なフィルタをある程度できる可能性があった。



結果として、日本語ですら満足にフィルタできていないうごメモのコンテンツは、日本語以外のうごメモではもっとひどいことになる。小学生が「星をくれたらオナニーするね」、とか「クリトリスいじるね」、なんてうごメモが投稿されていても、そのコメントが東欧の方言だったらフィルタのしようがないし、映像を見てフィルタリングするのだってマンパワー的に現実的ではないだろう。


世界的に、ペドフィリア小児性愛者、日本語ではロリコン、の趣味を持つ人たちは子どもからできるだけ引き離されようとしていると思うのだけど、うごメモは、日本だけではなくて、世界レベルでそういった性向の人たちと子どもたちが出会う場の提供に成功することになる。
これは、需要と供給の奇跡的なマッチングで、その観点だと誰もこれまで成しえていない偉業と言っていい。

はてなスターは売買春の分析に再考を迫る 〜小中学生の売春の対価はお金である必要はなかった〜

これまでは、ロリコンペドフィリアが直接子どもとコンタクトするには、多大なリスクを冒す必要があった。
うごメモは、そのリスクを大幅に低下させる。先にも書いたが、子どもとのコンタクトの容易さと、サクラが不在というのは非常に大きい。

今のうごメモ界隈でははてなスターが子どもの行動を強化する強烈な好子(こうし、cf.行動分析学)として機能しているが、子どもがお金ではない、いわば共同幻想とも言えるはてなスターで脱いだり身体を売りかねないというのは衝撃だと言える。子どもにとっては、お金も、はてなスターも身体を売ることの対価として十分なものだというのは目から鱗だった。

これまで、そういった価値観で行動するとは思っていなかったのだけど、それは今までは小中学生の売春への対価は、お金でよい、と勝手に判断してきただけだったのだろう。子どもたちにとって、売春のモチベーションは別にお金ではなくて、身体を提供することで相手から何らかの見返りがもらえればよいだけだったのだと言える。単に、大人の側がお金以外の対価を示せなかっただけなのではないだろうか。


はてなスターというリアルな世界での価値に変換できない抽象的なものでも、小中学生が売春をするのだ、というのは、これまでの売買春のフィールドワークから得られた知見に再考を迫るのではないだろうか。

はてなは世界を敵に回す

国連をはじめとして、世界的な潮流としてペドフィリア小児性愛ロリコンに対する規制は非常に強い*20
それを知りながらに充実した小児性愛者向けの場を提供するはてなは、世界を一気に敵に回すことに成功する。
しかも、任天堂を道連れにして、だ。はてなは世界で知られていないだろうから、実はその場合のダメージは任天堂にとっての致命傷にはなるけれど、失うことのない無敵状態*21に近いはてなにとって、世界デビューを果たすことができるという点ではメリットの方が大きいと判断しているのかもしれない。

はてなが生き残る道

では、これだけの常況、最悪の道をひた走っているように見えるはてなは、これからどうすれば良いのだろうか。
これまでも、何度もはてなは迷走していると指摘されてきたが*22、今回のうごメモ開始以降は、レミング的な迷いのない自滅への道を走っているように見える。


この絶望的な常況を好転させるにはどういった方策が考えられるだろうか。いくつか考えてみたが、どれも決め手にかける。

  1. いっそ開き直って小児性愛者向けの場を提供する(マーケットの大きさが謎だが)。リアルで繋がる可能性を下げてサービスを運用できれば、「ロリコンのガス抜き」*23メディアとしての立場を確保できるかもしれない。
  2. うごメモを売り飛ばす→リスクに気づいていない企業がいれば買ってくれるかもしれない。
  3. 新サービス「はてな出会い系」をはじめて、有望な小中学生を青田刈りする。
  4. Freemium展開。うごメモの閲覧は無料だけど、作者にコンタクトするには有料化。→広告しか収入源のないはてなにとっては収入の新しい柱になり得る。クレジットカードを有料サービスには必須にして個人を特定しておくことで犯罪発生のリスクを下げることは可能だろう。
  5. うごメモを閉鎖する。→これは順当だが、これまでの批判をものともしなかったはてならしくない方向だろう。


いろいろ書きましたが、うごメモには高いリスクが伴っていそうなことと、はてなが無防備な状態でサービスを運営しているのなら気をつけて欲しいなぁ、と思いながら愛を込めて書いてみました。はてな愛してる。

私ははてなには生き残って欲しいし、万が一、うごメモが売買春の場になったり、犯罪が起きたらはてなが終わりかねないので、もう少し考えみようと思う。リスクはできる限り下げて、安全側に倒しておく必要がある。私が入社するまでははてなを潰すわけにはいかない。

うごメモ関連について書いている方の記事を見てみました

うごメモが危ない、といった点は共通です。

任天堂はてなも脇が甘い、と。

こくばん.inを運営されている方の指摘。うーむ。

これはまずいような気がするのだけど。
出会いやすくなるよなぁ。。

2010年10月16日追記

この記事はずいぶん前に書いたものだけど、ここで心配していたことのいくつかははてなランド、で実現した。のだけど
はてなランドのサービス終了について - jkondoのはてなブログ
で、あたらしくはじまったはてなランドというサービスが開始早々の終了宣言がなされた。
詳細はわからないけど、何か危ない事態が起こったか、起こりうる可能性が高すぎて続けることができなかったんだろうと思う。

はてなのサービスの設計の脇の甘さというか危なっかしさはうごメモのときから散々指摘されてきていたけど、ようやく気がついたということかな。

なんにせよ2週間でサービス終了、と決断できるのはすごい。
事故が起きるまえで良かった。

正直なところ、包丁で人を殺しても包丁職人が責められたりしないのに、ネット系のサービスだとサービス提供者が責められるのはなぜだろう?うごメモはてなランドは包丁だと思うんだけどな。

*1:?要確認

*2:要確認

*3:要出典

*4:私が見た投稿では、星が1000行ったらぬごっかな、という女子のうごメモだった

*5:要出典

*6:最近の論文の動向要確認

*7:恐らく。うごメモはてなのコメント欄などでは小学生が多い

*8:まだそういう作品は見れていない

*9:種類要検討

*10:id:jkondoのインタビュー記事 近藤社長「未熟だったと思う」 はてなが目指す“脱IT系” (1/2) - ITmedia NEWS、関連:http://d.hatena.ne.jp/ululun/20081226/1230299272http://d.hatena.ne.jp/RPM/20081226/1230235305

*11:NHKスペシャル - jkondoのはてなブログ

*12:要確認、アドセンスもある

*13:京都本社移転について思うこと - Kossy Memo

*14:最新の社員数要確認。誰かが官報の財務状況を分析したデータがあった記憶がある。要確認。

*15:未確認

*16:要出典

*17:と思う

*18:してたっけ?

*19:もう少し例が欲しい

*20:要出典

*21:要引用元、ひろゆきだったか?

*22:要出典

*23:言ったのは宮台真司だったか?要確認